如此白して、其の殿内に還り入りませる間、
（かくまをして、そのとのぬちにかへりいりませるほど、
枯れ左の御美豆良に刺させる、湯津津間櫛の男柱一箇取り闕きて、
（かれひだりのみみづらにささせる、
一火燭して、入り見ます時に、宇士たかれとろろぎて
（ひとつびともして、いりみますときに、うじたかれとろろぎて）
頭には大雷居り、胸には火雷居り、腹には黒雷居り、
（みかしらにはおおいかづちをり、みむねにはほのいかづちをり、
左の手には若雷居り、右の手には土雷居り、
（ひだりのてにはわきいかづちをり、
并せて八雷神成り居りき
（あわせてやくさのいかづちがみをりき）
ここのくだりの現代語訳は
けれどもあまりに長くかかるので
イザナギは待ちきれなくなり
左の髪の細目の櫛の端の太い歯を一本折って
ひとつ火を灯し
黄泉の国の宮殿に入って
中を覗き見ると
イザナミの身体には蛆がわきたかっており
頭には大雷、胸には火雷、
腹には黒雷、陰には拆雷、
左の手には若雷、右の手には土雷、
左の足には鳴る雷、
あわせて八つの雷神がゴロゴロと鳴っていました
・・・・となります
やっぱり約束は守られませんでしたね
見られたら恥ずかしいから
見ないでねっつってんのに
それを我慢できずに見ちゃうんだから
そりゃあイザナミも怒りますよね～
しかもイザナミにしてみたら
最初に早く迎えに来なかったのは
イザナギの方で
今度はイザナギの方が待つ番でしょ
って事なのでしょう
こんだけ私を待たせたんだから
今度は貴方が待ちくたびれる番よっ
みたいなね～
いや・・でもですね
言霊学的な解釈をしてみると
黄泉国の物質文明が完成するまで
千年以上かかっていますんでね
そんなもんイザナギも待ちくたびれますよね？
どうなってるんだろうって思い
少し様子を伺いたくもなりますよね〜
…て私は思います
それで
湯津津間櫛の男柱一箇を折って
一火燭して覗いて見たわけなのですが
湯津津間櫛の男柱一箇っていうのは
要するに言霊図でいう所のア行のことだそうです
その一か所ってことは
解釈によって異なりますが
イザナミが心配になり感情的に見たのなら「ア」
好奇心なら「オ」
ただ見たかっただけの欲望なら「ウ」
参考にと思ってなら「エ」
ただのイザナギの根本的な精神なら
「イ」である創造意志
・・になるそうです
・・・で覗いてびっくり
イザナミの恐ろしい姿を見てしまいますが
宇士たかれとろろぎて
というのは
イザナミが「ウ」の次元で
物質への欲望の産物である
学問や文字でいっぱいになってて
欲望が渦巻きたかってる状況で
客観世界の文化の完成とは
程遠い状態だったことを
表しているそうです
そして八種の雷神に
身体中を寄生されていました
この八種の雷神は八父韻のことですが
タケミカヅチの真理ではない並びの
八父韻であったため
身体中に寄生される形になってしまってます
この父韻の並びを
天津金木音図というそうです
カサタナハマヤラ
の並びの父韻です
今の私たちの
音図の並びのことを言っています
つまり何が起きてるのかというと
もし
我々の中に
イザナギがいたとしたら
今のこの物質文明に侵されている
我々人間を
このように見てるって事になるのだと
思います
主観で生きるのではなく
客観世界に生きるとは
逆に言霊に
身体中を支配されて
生きる事になるんだよと
古事記は言っていると
私は思っています
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