是に伊耶那岐命、見畏みて、逃げ還ります時に、（
其の妹伊耶那美命、吾に辱見せたまつ、（
と言したまひて、即ち予母都志許売を遣して追はしめき。
（とまをしたまひて、
乃ち蒲子生りき。（すまわちえびかづらのみこなりき）
是を摭ひ食む間に逃げ行でますを、猶追ひしかば（
亦其の右の御美豆良に刺させる湯津間櫛を引き闕きて（
投げ棄てたまへば、乃ち笋生りき。（なげうてたまへば、
是を抜き食む間に、逃げ行でましき（こをぬきはむあひだに、
現代語訳では
イザナミの恐ろしい姿を見て
びっくりしたイザナギは
あっという間に逃げ帰りだしました
するとその姿を見たイザナミは
私を辱めましたね・・・！
と言って黄泉の国の醜女を刺客で遣わし
イザナギの後を追わせました
イザナギはそこで
髪飾りの黒髪を取って後ろに投げ棄てます
するとそれが野ブドウになり
これを醜女たちが拾って食べている間に
逃げのびて行きますが
また追いつかれそうになります
そこで今度は右の髪の櫛を折って投げ棄てると
それはタケノコになり
それらを醜女たちが
抜いて食べている間に時間をかせぎ
ようやく醜女たちから
逃げ延びることができました
・・・って感じになります
言霊学のの視点で
ここを読み解くと
その精神世界とは違う
未完成で不調和な客観世界の文化に
びっくりしてしまいますが
ここで理想の精神世界と未完成の客観世界が
出会ったことになります
ここで主観であるイザナギの
この未完成の客観世界とどう向き合うかの
検証が始まります
それは理想の精神構造を
客観世界で他証していく作業になります
イザナミはここで「ヨモツシコメ」を
イザナギにけしかけますが
これは外国の文字の事だそうです
外国の文字の原理と思想をけしかけて
イザナギを虜にしようとした‥
と言う解釈になるそうです
・・で次に
イザナギは追手から逃れようと
色々と髪飾りを投げては
それが野ブドウになったり
タケノコになったりしています
ここは言霊学の本の中でも解釈が分かれてて
まとめることが出来ません・・
ある本の中では
外国に
この精神世界から見た物質世界の法則を
投げ与えた事と言っていて
ある本の中では
父韻の半分を分け与えた事って言ってて
ある本の中では
後に登場する
天津太詞音図の事だと言ってたり…
しています
なのではっきり言って
よくわかりません
ただはっきりしてる事は
我々の心の宇宙の中で
イザナギという主体は
心を全く無視するような
今の物質文明に
びっくりして
恐れをなして
逃げ出したいと…
そう
思っているのだと・・
私は感じました
古事記が書かれたのは
西暦では712年だそうです
日本語の五十音が確立されたのは
五千年は前だろうと言われてるので
古事記が書かれた時は既に
物質至上主義的な思想は
日本に入ってきていたのでしょう
その頃から
目に見えない「心」は
無いモノとして
物質だけが
確かなモノとされ始めたのかも
しれませんね
古事記が書かれたあとも
千年以上も
心の世界は無いモノとして
ないがしろに
されてきました
その事をずっと悲しんで来た気がします
そういう自分が今も心の奥の方に
確かに存在してる様に
私は思います
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