調布の家に引っ越して
しばらく経った頃
仕事人間だった父が
初めて早退して帰ってきたと
学校から帰宅した私に
母が青ざめた顔で言ってきました
体調が悪くてどうしようもなくなって
早退したという…
その後
慈恵医大で検査した結果
狭心症と診断されました
お薬をもらい
お酒を控える様に言われ
程なくして
父親は元気になりました
家族一同ほっと
胸を撫で下ろしました
その後私は就職して
聖蹟桜ヶ丘という場所で
宝飾品の販売員として
働いていました
社会人三年目を迎え
いつもの様に
私がお店で仕事をしていたら
お店に母から電話がかかってきました
お父さんが倒れたの…！
急いで帰ってきて！
当時 父親は出向してて
埼玉の三郷市に会社があり
同じ市内の病院に運ばれたとの事だったので
私達はその後
その三郷市まで
毎日看病に通う事になりました
その病院では
父親は三日三晩生死を彷徨い
奇跡的に意識を取り戻しました
でもずっと
安静にしていなくてはいけない
危険な状態との事でした
当初 狭心症と診断されていた
父親の本当の病名は
解離性大動脈瘤
でした
大動脈が今にも裂けそうな
とても危険な状態だと
言われました
一か月ぐらいかな
その三郷の病院に入院してたのですが
結局そこでは
治療方が無いとの事で
元々の慈恵医大に入院しなおしました
私はその頃はもう
介護をする母を手伝うために
仕事を退職していました
慈恵医大で検査をした結果
慈恵医大の先生方も
手に負えない病状だったらしく
再び今度は
慶応病院に転院しました
そこでようやく
人工血管にかえる手術をすれば
回復するとの事で
父親は12時間近い手術を受け
見事に手術は成功し
父親はやっと家に帰って来る事が
出来ました
その後の数年間は
父と母にとって
人生で一番穏やかな日々だった
のではないかと思います
私は
父親が元気になったのを見届けられたので
父親の病気で
予定が伸び伸びになってた
結婚をして
その家を出ました
